「やらなきゃいけないのに、動けない」そう感じる日は、誰にでもあると思います。
if-thenプランニングとは、「もし◯◯したら(if)、△△する(then)」と、行動の条件を先に決めておく方法です。「朝コーヒーを入れたら、テキストを開く」のように、やる気ではなく合図で動けるようにします。
勉強しようと思っていたのに、気づけばスマホを見て終わっていた。早く寝ようと思っていたのに、なんとなく夜更かししてしまった。今日こそやろうと思っていたのに、結局また後回しになった。行動が続かないとき、人はつい「やる気が足りない」「意志が弱い」と考えてしまいます。
でも実際には、気持ちの問題というより、始め方が決まっていないことが原因になっている場合も多いです。何をするかは決まっていても、いつ始めるか、どの流れで始めるかが曖昧だと、人はそのたびに迷います。そして、その小さな迷いが積み重なると、行動は止まりやすくなります。
私自身、もともと気分に波がある方です。勢いがある日は一気に進められても、そうでない日は簡単に止まってしまう。それでも資格勉強や日々の積み上げを続けてこられたのは、やる気がある日だけ頑張ったからではなく、迷わなくても始められる流れを作ってきたからでした。
if-thenプランニングとは何か
if-thenプランニングは、とてもシンプルです。「もし○○したら、そのあと△△する」という形で、行動のきっかけと次の動きを先に決めておく方法です。たとえば、
- もし帰宅して手を洗ったら、机に座る
- もしコーヒーを入れたら、テキストを開く
- もし昼休みになったら、5分だけ単語を見る
このように、条件と行動をひもづけておくと、「やるかどうか」をその場で考えなくてよくなります。大事なのは、気合いで動くことではなく、考える前に流れで始められることです。
やる気を待つより、始める条件を決めておく
行動が止まりやすいのは、能力が足りないからではなく、毎回スタート地点で判断しているからです。「今日はやるか」「今やるか、あとでやるか」「何から始めるか」この小さな判断は、思っている以上にエネルギーを使います。
しかも、疲れている日や忙しい日は、その判断に負けやすくなります。だから、続けたいことほど、その場の気分に委ねない方がいい。やる気が出たら始めるのではなく、この場面になったら始めると決めておく。それだけで、行動の始まり方はかなり変わります。
私が実際にやっていた形
資格勉強をしていたとき、私は「時間ができたら勉強する」という考え方をほとんど使っていませんでした。その言い方だと、結局いつまでも始まらないからです。
代わりに、目が覚めたら動画を開く。食事が終わったらテキストを1ページ読む。消灯前の15分は、その日まちがえた問題を見る。そういうふうに、日常の流れの中へ勉強を差し込んでいました。
特別な時間を新しく作るより、すでにある行動の後ろに小さくつなぐ方が、私には合っていました。続いた理由は、意思が強かったからではありません。始めるまでの距離を、できるだけ短くしていたからです。
if-thenが機能しやすいのは、こんな行動
この方法は、難しいことよりも、小さく始めたい行動と相性がいいです。たとえば、
- 勉強を始める
- 単語帳を開く
- 家計簿をつける
- ストレッチをする
- 水を飲む
- 日記を1行書く
こうした行動は、「まとまった時間ができたらやる」より、日常の流れに組み込んだ方が続きやすくなります。反対に、「今日は2時間集中して全部終わらせる」のような重たい目標は、if-thenだけでは支えきれません。まずは1ページ、5分、1動作。そのくらいの小ささから始める方が、仕組みとして定着しやすいです。
うまく作るコツは、「すでにある行動」にくっつけること
if-thenを作るときに大切なのは、「いつか時間ができたら」のような曖昧な条件にしないことです。条件に向いているのは、毎日の中ですでに繰り返している行動です。
- 朝起きたら
- 顔を洗ったら
- コーヒーを入れたら
- 昼休みになったら
- 帰宅して手を洗ったら
- 寝る前になったら
こうした既存の流れに乗せると、行動はかなり安定します。新しい習慣を単独で作るより、今あるリズムに結びつける方が、生活に馴染みやすいからです。
続けるためには、「最初の一歩」を決める
if-thenプランニングで決めるべきなのは、理想のゴールではありません。決めるべきなのは、最初の一歩です。
- 問題集を最後までやる、ではなく、1問だけ解く
- 30分走る、ではなく、靴を履いて外に出る
- 家計を完璧に整える、ではなく、口座残高を確認する
最初の一歩が小さいほど、人は始めやすくなります。そして、始めてしまえば、そのまま少し先まで進める日もあります。行動は、最初の負荷が軽いほど起こりやすい。だからこそ、if-thenは「頑張る計画」ではなく、「始めやすい設計」として使うのが合っています。
if-thenを使っても、できない日はある
もちろん、どれだけ仕組みを作っても、毎日完璧にできるわけではありません。疲れている日もありますし、予定が崩れる日もあります。だから大事なのは、失敗しないことではなく、戻りやすくしておくことです。
if-thenが役立つのは、できなかった次の日にも、また同じ場所から始めやすいからです。「朝起きたら1ページ読む」「昼休みになったら単語を見る」こういう形があると、一度止まっても再開の場所を見失いにくい。続ける力は、止まらないことより、戻ってこられることの中にあります。
まとめ
やる気に頼る方法は、うまくいく日もあります。でも、毎日それを期待すると、どうしても波に振り回されやすくなります。だからこそ、続けたいことほど、「もし○○なら、そのあと△△する」という形で、始める条件を先に決めておくのが役立ちます。たとえば、
- もしコーヒーを入れたら、テキストを開く
- もし昼休みになったら、単語を5つ見る
- もし寝る前になったら、その日の復習を1問だけする
そのくらい小さな形で十分です。大切なのは、立派な計画ではなく、迷わず始められる流れを持つことです。気分が乗る日だけ前に進むのではなく、気分に関係なく、小さく始められる。その積み重ねが、あとから大きな差になっていくのだと思います。