「また、続かなかった」
何かを始めるたびに、そう思っていました。
勉強も、家計管理も、早起きも。
始める日は、本気なんです。
今度こそ続けようと思って、必要なものをそろえて、計画も立てる。
それなのに数日たつと、仕事や家のことに押されて、少しずつ間が空いていく。
そして最後には、「私は、意志が弱いんだ」と思って終わっていました。
でも今は、少し違う見方をしています。
続かなかったのは、気持ちが足りなかったからではなく、気持ちがなくても動ける形を、先に作っていなかったからなのかもしれません。
私自身、もともと何でもコツコツ続けられるタイプではありません。
それでも資格の勉強を続け、ブログを書き、少しずつ積み重ねてこられたのは、毎日やる気があったからではありませんでした。
迷わず始められる仕組みと、止まったあとに戻れる仕組みを、少しずつ作ってきたからです。
この記事では、私が続けるために先に決めている3つの仕組みを書きます。
「もう一度やる気を出す方法」ではありません。
何度も始めようとしてきた気持ちを、今度は途中でなくさないための話です。
何度も繰り返している方で、先に「どこが重かったのか」から整理したい場合は、三日坊主を繰り返すとき、続けることより先に見直したいこともあわせてどうぞ。
続かないのは、意志が弱いからではない
何かを続けようとするとき、私はまず「やる気を保たなければ」と考えていました。
でも、やる気には波があります。
自然に動ける日もあれば、何もしたくない日もある。
仕事で疲れた日も、予定が崩れた日も、気持ちが沈む日もあります。
毎日同じ熱量で動き続けるのは、もともと無理のあることでした。
それなのに私は、調子のいい日に立てた計画を、疲れている日の自分にも守らせようとしていました。
守れないと、計画ではなく自分を責めていました。
でも「三日坊主」という言葉は、少し不公平だと思うんです。
3日で止まったとしても、その人は一度、始めています。
何度も三日坊主になった人は、何度も「やってみよう」と思えた人でもあります。
足りなかったのは、始める力ではありません。
その力を、4日目や5日目まで運んでくれる仕組みのほうでした。
続く人は、特別に意志が強いのではなく、意志を何度も使わなくていい形を持っています。
私が先に作るようになったのは、次の3つです。
仕組み1|始める合図をひとつ決めておく
私は以前、「時間ができたら勉強しよう」と思っていました。
でも時間ができると、先に家事を終わらせようか。少し休んでからにしようか。今日は朝と夜のどちらがいいだろう。
そんな小さな会議が始まります。
机に向かう前に考えることが多いほど、勉強は始まりにくくなりました。
そこで、勉強する時間ではなく、始める合図を決めるようにしました。
私がFP2級を勉強していた頃は、「目が覚めたら、まず学習に触れる」という流れを作っていました。
朝に長時間勉強すると決めていたわけではありません。
テキストを開く。前日のページを見る。問題を一つ読む。
最初の動作だけを、目覚めたあとの流れにつないでいました。
勉強するかどうかを考える前に、一度触れてしまう。
それだけで、始めるまでの迷いが減りました。
合図は、特別なものでなくて大丈夫です。
- コーヒーを入れたら、テキストを開く
- 帰宅して手を洗ったら、机に座る
- 子どもを送り出したら、問題を一つ読む
- お風呂から出たら、その日の記録をつける
大切なのは、毎日新しく決意しなくても、同じ入口に戻れることです。
合図の作り方を具体的に決めたい方は、こちらの記事に実践方法をまとめています。
→ やる気に頼らず動ける「if-thenプランニング」とは?始める条件を先に決めるコツ
仕組み2|ハードルは、下げすぎるくらいでちょうどいい
私は「毎日1時間」と決めたあと、30分しかできなかった日を失敗だと思っていました。
何もしなかったわけではないのに、計画どおりではなかったから、できなかった日に数えていたんです。
続けたいと思うと、つい立派な目標を作ります。
毎日1時間勉強する。毎朝5時に起きる。問題集を10ページ進める。
でも、高い目標は、調子のいい日にしか守れません。
予定が少しずれたり、疲れていたりすると、それだけで「今日は無理」となってしまいます。
私が先に決めるようになったのは、理想の量ではなく、いちばん小さい日の量でした。
- テキストを1ページ開く
- 問題を一つ読む
- 机に5分だけ座る
- 記録に○を一つつける
少なすぎるように見えるくらいで、ちょうどよかったです。
なぜなら、小さく始めた日は、そのまま少し続けられることもあるからです。
そして、本当に一つで終わったとしても、その日は「戻れた日」になります。
大学時代に塾講師をしていた頃、伸びる生徒には共通点がありました。
いつも完璧に宿題をしてくる子とは限りません。
少しできなかった週があっても、また来る子でした。
一度の大きな努力より、不完全なままでも戻ってくることのほうが、最後には大きな差になっていました。
私自身も同じでした。
長く続いたものは、毎日十分にできたものではありません。
できない日の入口を、小さくしておいたものでした。
十分小さくしたつもりなのに続かないときは、量ではなく、生活の中での置き場所が合っていないこともあります。
→ やることを減らしたのに、なぜか続かないときの見直し方
仕組み3|続いていることを見える形にする
続けている最中は、自分が進んでいることが思ったより見えません。
私は、できなかった日はよく覚えているのに、できた日はすぐ忘れていました。
数日休むと、それまで続けた日まで消えてしまったような気がしていました。
そこで、できた量ではなく、触れた日を残すようにしました。
カレンダーに印をつける。手帳に○を書く。シートの該当日に、小さく色をつける。
記録は、それくらいで十分です。
昨日も触れた。今日も少し触れた。
それが目で見えると、次の日にも同じ場所へ戻りやすくなりました。
記録は、自分を管理するためだけのものではありません。
できなかったことばかりを覚えてしまう自分に、できていた日を返すためのものでもありました。
ただし、記録を細かくしすぎると、今度は記録すること自体が負担になります。
時間、ページ数、正答率、感想。
全部残そうとすると、勉強より記録の方が重たくなってしまうことがあります。
そんなときは、○を一つつけるだけで十分です。
記録は、きれいに管理するためではなく、戻る場所を見失わないためにあります。
→ 記録が重くなったときに。細かくつけすぎない習慣の整え方
この3つを勉強に取り入れるなら、こうなる
続ける仕組みを資格勉強に使うなら、最初から90日分を完璧に決める必要はありません。
まず、最初の2週間の入口を作る。次に、90日全体の流れを置く。
この順番の方が、計画の重さで止まりにくくなりました。
「環境」を変えると、気合いより早く変わる
三つの仕組みに加えて、私にとって大きかったのが、場所を変えることでした。
育休中に簿記を勉強していた頃、私は家にいるのに、家ではなかなか勉強できませんでした。
洗濯物が目に入る。片づけたい場所が気になる。子どもが眠っているうちに、あれもこれも終わらせたくなる。
机に座っても、家の中の「今日やらなくてもいいこと」が、次々に目に入りました。
そこで土日は夫に子どもをお願いし、私は外へ出て勉強するようにしました。
カフェに着いて、教材を机に置く。
それだけで、家にいたときより自然に勉強が始まりました。
家で意志を使って気をそらすものと戦うより、座れば勉強するしかない場所へ移った方が、私にはずっと楽でした。
家で頑張れる自分になろうとしなくてもよかったんです。
家でできない日は、場所を変えればいい。
環境を整えることは、甘えではありません。
頑張れない日があることを前提に、頑張らなくても始められる形を作ることです。
そのときのことは、こちらの記事にも詳しく書いています。
→ 育休中に簿記3級・2級を4ヶ月で取った理由。気合いではなく、続ける仕組みで進めた話
大事なのは、戻ってこられること
どれだけ仕組みを作っても、できない日はあります。
疲れて何もできない日も、予定が崩れる日もあります。
家族のことや仕事のことが優先になる時期もあります。
だから、本当に大切なのは、一度も止まらないことではありません。
止まったあとに、全部を取り返そうとせず、小さく戻れることです。
一日空いても、またテキストを開く。
一週間離れても、その日の分から始める。
予定が崩れても、計画を最初から作り直さない。
続く人は、止まらない人ではなく、戻る場所を持っている人なのだと思います。
いま続けている習慣の形そのものを見直したい方は、習慣を続けたいのに続かないとき、最初に変えたいこともあわせてどうぞ。
今、すでに数日空いていて、戻ること自体が重くなっている方は、こちらの記事を先に読んでみてください。
→ 3日空いたあとに。習慣を立て直すとき、最初に戻しすぎない考え方
続かないことが重なり、自分を責める気持ちの方が大きくなっている方には、こちらの記事も用意しています。
→ コツコツできない人間が資格を取り続けられる理由
まとめ|続ける人は、「戻れる仕組み」を持つ
続かないのは、意志が弱いからではありません。
続けるための形が、まだ生活の中に置かれていないだけなのかもしれません。
私が先に作るようになったのは、次の三つです。
- 始める合図をひとつ決める
- できない日のハードルを小さくする
- 続いていることを見える形にする
全部を今日から変える必要はありません。
まず一つだけなら、始める合図を決めるのがおすすめです。
「コーヒーを入れたら、テキストを開く」
「子どもを送り出したら、一問だけ読む」
そのくらいの小ささで十分です。
合図を一つ決めた時点で、あなたの「続けたい」は、もう少しだけ仕組みに近づいています。
続ける仕組みを、紙の上に置いておきたい方へ
続ける仕組みは、頭の中だけで考えるより、紙に書いておく方が戻りやすくなりました。試験日と今日の日付を書き、まず90日の入口を作る。最初から全部埋める必要はありません。私が資格勉強で使ってきた考え方を、無料の「90日学習設計シート スターター版」にまとめています。
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もう少し細かく、教材・復習・予備日まで設計したい方には実践版もあります。必要になったときに、次の選択肢として思い出してもらえたら十分です。
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