何かを変えたいと思ったとき、人はひとつだけでは終わらせたくなくなります。
朝早く起きたい。勉強もしたい。運動も始めたい。部屋も整えたい。記録もつけたい。前向きな気持ちがあるからこそ、生活全体を少しずつ良くしたくなる。それは自然なことです。
でも、続けたいことほど、一度に増やしすぎると重くなることがあります。ひとつひとつは小さなことでも、重なると毎日の中で判断することが増えます。何からやるか、今日はどこまでやるか、できなかったらどうするか。そのたびに気力を使うので、最初は進んでも、少しずつ止まりやすくなります。
この記事では、続けたいことを一度に増やしすぎないほうがいい理由を整理します。
増やしすぎると苦しくなるのは、やる気が足りないからではない
続かなかったとき、多くの人は「もっと意志が強ければ」と考えます。でも実際には、続かない理由はやる気の不足より、変えようとしている数が多すぎることにある場合があります。
たとえば、朝の時間だけでも、
- 早起きする
- 水を飲む
- ストレッチする
- 手帳を見る
- 勉強を始める
と重なれば、それぞれは小さくても全体としては軽くありません。しかも、ひとつ止まると「全部崩れた感じ」が出やすくなります。本当は一部だけ止まっただけでも、全体の計画が大きかったぶん、失敗の印象が強くなります。
だから必要なのは、もっと頑張ることではなく、続ける数を絞ることなのかもしれません。三日坊主を繰り返すときの他の見直しどころは、三日坊主を繰り返すとき、続けることより先に見直したいことにまとめています。
一度に増やしすぎると、毎日の判断が増える
習慣が続きにくくなる理由のひとつは、行動そのものより、判断の回数が増えることです。
今日は何からやるか。どれを優先するか。時間が足りないときは何を省くか。全部できなかった日はどう考えるか。こうした判断が増えるほど、気分や疲れに左右されやすくなります。
一方で、行動が少なく、置き場所が決まっているものは始めやすくなります。行動は同じ文脈の中で繰り返されるほど自動化しやすく、意識的な決断に頼る部分が減っていきます(米国国立医学図書館の論文データベース)。
つまり、続けるためには「たくさん管理すること」より、毎日迷わなくていい状態を作ることのほうが大切です。迷わない置き方の作り方は、習慣を続けるのが苦手でも、仕組みなら頼れるかもしれないで整理しています。
増やしすぎると、できた実感が分散しやすい
やることが多いと、ひとつできても満足しにくくなります。
勉強はできた。でも運動はしていない。片付けは少しできた。でも記録はつけていない。そうなると、前に進んだことより、できなかったことのほうが目に入りやすくなります。
本当は何かひとつできていれば十分な日でも、やることが多いせいで「足りなかった日」に見えてしまう。この感覚が続くと、行動そのものより、自己評価のほうが先に重くなっていきます。
続けたいときは、達成を増やすより、できた実感が残るように数を絞るほうが合うことがあります。
増やしすぎると、崩れたときの戻り先が分からなくなる
続ける中で、少し乱れる日は必ずあります。忙しい日。疲れている日。予定がずれる日。何もしたくない日。
そのとき、やることがひとつなら戻り先も分かりやすいです。でも複数あると、どこから戻ればいいのかが曖昧になります。勉強から戻るのか。記録から戻るのか。朝の流れから立て直すのか。全部を戻すべきなのか。迷いが増えると、再開そのものが重くなります。
習慣は、完璧に続けることより、戻りやすいことのほうが大切です。だから最初から数を増やしすぎないほうが、崩れたあとも立て直しやすくなります。
変えたいことが多いときほど、「ひとつ残れば十分」と考える
生活を整えたいときほど、いくつも変えたくなります。それは、今の自分に不満があるからというより、ちゃんと良くしたいと思っているからです。
でも、続ける段階では「たくさん変えること」より、何をひとつ残したいかを決めるほうが現実的です。
たとえば、
- まずは机に向かう習慣だけ残す
- まずは寝る前の1行だけ残す
- まずは朝に1回体を動かすだけ残す
- まずは支出を1つ見るだけ残す
このくらいで十分です。ひとつ残ると、そのひとつが流れになります。流れができると、あとから他のことを足しやすくなります。
最初から全部を整えるより、残るものを先に作るほうが、結果として遠回りになりにくいです。
やることが重なった日の過ごし方は、やることが多い日は、ひとつできれば十分で書いています。
「やりたいこと全部」ではなく、「今の自分でも残せること」を選ぶ
新しい習慣を考えるとき、人は理想の自分に合わせて選びがちです。毎日これもやりたい。本当はあれも必要。どうせなら全部整えたい。
でも習慣として残りやすいのは、理想に合うものより、今の自分の生活の中でも置けるものです。
時間が少ない。気分に波がある。忘れやすい。疲れる日もある。そういう前提を含めて、それでも残せそうなものを選ぶ。そのほうが、きれいではなくても続きやすくなります。
行動は、意志だけで毎回決めるより、文脈や流れに支えられているほうが続きやすいと考えられています(アメリカ心理学会)。だからこそ、「正しい数」ではなく、「残せる数」に寄せることが大切です。
足したくなったら、まずは今あるものが残ってからでいい
何かが少し続き始めると、次も足したくなります。それ自体は悪くありません。ただ、足すタイミングが早すぎると、せっかく残りかけた流れまで重くなることがあります。
まずは今やっていることが、無理なく置けているか。気分が重い日にもゼロになりにくいか。少し乱れても戻りやすいか。そこが落ち着いてから、次を考えれば十分です。
習慣は、勢いで広げるものというより、静かに残るものを少しずつ増やしていくものとして見たほうが扱いやすいです。
まとめ
続けたいことは、一度に増やしすぎないほうがいいです。
増やしすぎると、
- 毎日の判断が増える
- できた実感が分散しやすい
- 崩れたときの戻り先が分かりにくくなる
- 全体が重くなって、自分を責めやすくなる
からです。
大切なのは、たくさん変えることではありません。今の自分でも残せるものを、少なく置くことです。ひとつだけ続けば、それは小さいようでいて、暮らしの中ではかなり大きな土台になります。
もし今、整えたいことがいくつも頭に浮かんでいるなら、次に考えたいのは「何を増やすか」より、まず何をひとつ残したいかなのかもしれません。
続ける仕組みを形にしたい方へ
やる気に頼らず続けるには、書き出して見える形にするのが近道です。
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